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初心者のためのチャリダー講座2 キャンピングスタイルの装備

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   ├─1.自転車とその装備
   │  └─ロードとマウンテンの部位の説明

   ├─2.キャンピングスタイルの装備(Here)
   └─3.走行にあたって

  1. 宿泊について

    宿泊に関して、ここでは主に駅寝、テント泊を前提とした「キャンピングスタイル」の装備の紹介をします。

    ちなみに素泊まりの民宿だと1泊¥3000〜4000、ビジネスホテルでも同じくらい、ユースホステルの素泊まりでも¥3000ほどします。なお、ライダーハウス(北海道のみ。チャリダーも泊まることができるが、事前に問い合わせるとベター)は無料から¥1000以内で泊まれる(素泊まり)ことがほとんどで、雨の日などで、屋外で寝られない場合に重宝します。

    素泊まりの場合、食事は自分で調達しなければなりませんが、屋内では火気厳禁である場合がほとんどなので、既製品を買わなければなりません。

    ともかく、安くつけたい場合は、「キャンピングスタイル」が一番手っ取り早いということです。

  2. 装備全般

    私は自転車旅行よりも登山のほうをメインとして活動しているので、登山のために買った装備のほとんどを自転車旅行の装備と併用しています。

    ◎食事のときに使うもの

    • 火器
      EPIガスイワタニキャンピングガスなどといった各メイカーが発売しているガス燃料が標準的です。火がつく「ヘッド」部分と、ガスのカートリッジに分かれています。カートリッジはスモールとラージがありますが、20日くらいの長期旅行であれば、カートリッジはラージサイズでも3つ〜4つくらいは必要です。1つ1つが結構かさばるので、最初は2つくらい持っていき、途中の都市の街のアウトドアショップで買い足すというのも有効な手段です。

      ヘッドは申し訳程度の小さなものから、何もここまでという非常に大きなものまでありますが、大体は「申し訳程度」よりももう1ランク大きなものを買っておけば十分です。¥7000前後。カートリッジのラージサイズは普通用で¥700円ほど、寒冷地用になると多少割高になりますが、これは寒い季節、とりわけ山で使うもので、自転車旅行の場合、12月〜2月の間であれば役に立ちます。夏は普通用とまったく差がありません。

      なお、他にも石油燃料と、ホワイトガソリン燃料の火器があります。これは「コールマン」という海外のメイカーなどが販売しています。スタンドと本体に分かれているものが標準的で、百回から数百回、ポンピングして燃料の入っている缶に空気を入れ込み、燃料を気化させてから火をつけるので、つけるのに5分ほどかかります。

      石油燃料は安全性に優れていて、しかも燃料の重量そのものが軽いという利点があります。ホワイトガソリンは寒い状態においても火力が衰えないという利点がありますが、取り扱いが難しく、一般向きではありません。

      いずれにしてもこれらは山で長期間、多人数で縦走する場合に必要なもので、自転車旅行であれば、ガス燃料のものが最適でしょう。

    • コッフェル
      「コッヘル」とも言われますが、正確には「コッフェル」です。要するに小型携帯用の鍋のことです。これも非常に小さなものから大規模なものまでありますが、直径18cmほどの大型鍋と、それより一回り小さな鍋がセットになっているもの(¥7000弱)で十分です。大体は大鍋と小鍋がセットになっており、さらにランクを上げるとやかんもセット(¥9000前後)になっています。複数パーティの場合で1セットのコッフェルを使う場合はやかんが役に立ちますが、1人か2人くらいであれば鍋二つのセットで十分に事足りるでしょう。

    • バール
      ボウルとも言います。要するに皿のことです。よくあるプラスチックで皿とコップがセットになったもの(¥1500前後)でも問題はありませんが、ステンレスで直接火にかけられるもの(¥3000前後)があります。これはちょっとお茶やコーヒーを飲みたくなったときに非常に役に立ちます。
      スプーンやはしなどについて、私はケチケチ精神を発揮し、途中でコンビニで購入したときについてきた割り箸を洗って再利用していました。もしくは家からスプーン1本持ってくれば、麺類を食べるとき以外のほとんどの場合で事足ります。

    • スポンジ
      意外と役に立つ優れものです。 食器を洗ったりすることができます。

    • トイレットペーパー
      様々な用途で使われますが、とりわけコッフェルやスプーンなどを洗った後、拭くために役立ちます。他にも鼻紙として使えますし、駅や公園のトイレに紙がない場合にも使えます。また、野外で用を足さざるを得ないという切羽詰ったときにも使えます。まぁ余程のことがないとこうはなりませんが。^^;

  3. 基本的な装備

    • テント
      野外泊の場合は少なくとも「雨が防げるもの」を用意することが最低限ですが、夏の場合はそれほど寒くはないので、寝袋だけで十分という人もいます。しかしあったほうが雨のときなどはかなり助かります。

      平地を走行する場合はそれほど特殊な材質を使ったテント(ゴアテックス製など)は必要なく、ナイロン張りの普通のテントで十分です。一人用というものはなく、大概が二人用からになります。二人用ですと¥12000〜¥13000からあります。

      テントには主にウィンパー(ミード、要するに三角屋根の形です)型、ドーム型、カマボコ型の三種類がありますが、小人数用で安価なテントとなると大体はウィンパー型になります。ウィンパー型は耐風力はありますが、その収納人数の割に重いという欠点があります。ドーム型(¥30000前後〜)は軽く、テントポールに弾力性を持たせているので、柔構造で耐風力もあります。そして、天井が円形になっているので空流がよく、寒いところで火器をつけたときの熱伝導率が高まります。ただし極端な強風下に置かれた場合、弾耐性の限界を超えてポールが折れたり曲がったりすることがあります。台風時には風の当たりにくいところにテントを張るなどの工夫が必要です。

      なお、テントは主に以下のような部品から構成されています。

      • 本体
        文字通り、構成の中心となるものです。ここで生活をします。

      • テントポール
        テントの本体を支える骨組みで、2本である場合が多いようです。

      • フライシート
        テントの本体の上に被せて風雨から本体を守るものです。主にポールに引っ掛けるだけのものと、別のポールで骨組みしてペグ(下参照)で固定するものとの2種類があります。

      • ペグ
        テント本体やフライシートについているヒモに付けて地面に固定し、風に飛ばされないようにするためのものです。主に金属で作られていますが、比較的強度が弱く、強い衝撃を与えるとすぐに曲がってしまうので注意が必要です。なお地面が固く、ペグでテントを固定できない場合は、テント本体やフライシートのヒモについているスライダーというヒモの長さを調整する器具を使い、石などの重いものをそこに通して固定します。

    • 銀マット
      テントの床に敷くものです。ハイキング用マットでは多少心もとないので、銀マットを敷きます。¥1000前後

    • クルクルマット
      寝るところの敷き布団の役割をします。これがないと翌朝、かなり腰や背中にきます。¥1500前後。中に空気を注入してよりクッションの役割を果たす優れものもありますが、あまり購入者はいないようです。

    • シュラフ
      寝袋のことです。夏でも北海道は寒く、安物を買うと泣きを見ますので、これはしっかりとしたものを買うことをお薦めします。

      安いものとなるとナイロンオンリーのもので¥3000くらいからありますが、とにかく薄く、15度以下のところで寝るとなると、相当寒く感じます。そこでせめて表張りナイロン+シンサレート(薄い割に保温力がある合成素材)のシュラフ(¥7000前後)にしましょう。

      なお、冬の場合に西日本を旅するときでも氷点下前後まで下がるので、表張りナイロン+羽毛のシュラフ(¥11000前後)があれば言うことなしです。なお、それでも寒い場合はフリースの毛布(¥4000前後)や、ゴアテックス(蒸れず、濡れずを謳った、最も優秀な合成素材)製のシュラフカバー(シュラフの上にかぶせるカバー。¥16000前後)などがあります。

    • ヘッドライト
      別にチャリのライトをはずして使ってもいいですが、これがあると、頭につけられるので本が読みやすかったりで、結構便利です。登山用品店に行けば売っています。¥3000前後

    • ポリタンク
      通称ポリタン。ポリ容器のタンクです。小さなものから3リットルのものがありますが、普通は2リットルがよく使われています。野外泊で自炊するときには水が必要なので、もし泊まるところに水がないとかなり不便になります。そこでこれに水をストックしておくと役に立つことがあります。これも登山用品店で売っています。¥1000ほど。なお、飲み終わった1.5リットルのボトルに水をストックしておくのもひとつの手です。ただし、夜と朝の2食分自炊する場合、1.5リットルでは足りない場合があります。

  4. 自転車の修理具

    自転車も長期間走っていれば、あちこちにガタがきます。そんなときに最低限の修理具を持っていれば、わざわざ自転車修理店に持っていって余計な出費をせずにすみます。なお、直し方は前もって自転車店で教わるなり、有識者に聞くなりしましょう。直し方を知らないと、持っていっても何の意味もなしません。

    • ゴムシールとゴムのり
      部分的にパンクしたとき、ゴムシールの貼り付ける部分にゴムのりを塗り、2、3分乾かした後にパンク部位に貼り付けて工具で軽く叩き、フィックスします。

    • 弁ゴム
      正確な用語を知らないのですが(汗)、自転車の空気を入れるところにある、空気をチューブの中に入れるが、外には出さないようにするという役割を果たす部品で、このゴムが切れると、空気があっという間に外に出ていってしまい、空気を入れようとしてもすぐに抜けてしまいます。

    • リムからタイヤを取り外す工具
      スミマセン、名前は知りません。リムからてこの原理でタイヤを引っ張り出し、工具の反対側をスポークに引っ掛けます(そういう構造になっています)。これは必ず二つ必要で、ひとつを固定してもうひとつでさらに引っ張り出さないと、いつまでたってもチューブを取り出すことができません。

    • サンドペイパー
      紙やすりのことです。パンクのときに、ゴムシールとパンクの個所にやすりをかけ、のりでつけると、より早くつき、パンク個所をきっちりとふさいでくれます。

    上記のこれらは「修理具セット」として自転車用品店で販売しています。¥1500前後。

    • 予備のチューブ
      どうしようもなくチューブが破損し、手の施しようがない場合に役に立ちます。ママチャリと違って車輪を外すことができるので、交換にもそれほどの手間はかかりません。

    • 六角レンチ
      自転車の部品は六角ネジでフィックスされていることが多くあり、必需品です。3、4日に1回はネジが緩んでいないか確認し、必要に応じてしっかりと締めましょう。6本がセットになっていて、大きさによって使い分けます。(¥700前後)。なお、修理具セットによく使うサイズの六角レンチが1本付いていることがあります。

    • プラスのドライヴァー
      中くらいのサイズが1本あれば十分ですが、5本セットがホームセンターなどで販売されているので、それがあればよいでしょう(¥1000前後)。マイナスはほとんど使いませんが、一応持っていってもいいでしょう。私は持って行ったことがありませんが。

    • モンキーレンチ
      これ1本あれば、スパナがなくても緩んだ個所をしっかりと止めることができます。中くらいのサイズを1本、持っておきましょう。

    • 布ガムテープ
      秘密兵器です。さまざまなところで役に立ちます。紙のガムテープでは、強度に欠けるし、貼りつきにくいのでので役に立ちません。アウトドアグッズの中ではこれが意外な盲点なのですが、あると非常に便利です。丸ごと1本持っていくとかさばるので、4〜5mくらい巻き取って、それを持っていきましょう。

  5. その他の装備


    • 旅の資金は思ったよりもかかります。食費よりもむしろ、道端の露店に気を取れられたり、予期せぬ事故、船を使ったりすることもあります。そこで20日の旅行であれば10万円ほどは必要になります。が、その人の経済的な基準で考えていただければ結構です。

    • 帽子
      これがないと死にそうになります。必ず持っていきましょう。バンダナでも結構ですが、ひさしの伸びた帽子の方がより効果的です。

    • 日焼け止め
      これがないと肌が悲惨なことになってしまいます。夏の日中は思いのほか、日焼けするものなので、必ず持っていきましょう。

    • サングラス
      これはなくても大丈夫ですが、眼や肌の弱い人は紫外線にやられることがあるので、あれば役に立ちます。海沿いを走るときは太陽が水面に反射して、また、夏に稲畑付近を走るときは、稲の明るさが眩しいので、特に役に立ちます。

    • 雨具
      雨の日はこれがないとびしょぬれになります。朝の寒いときに防寒具代わりとしても使えます。ただ、ひどい雨を長時間走行するときは襟の隙間から雨が入り込んで、いずれにしてもびしょぬれにはなります。ビニール(コンビニで¥1000くらいで売っています)やナイロン(¥3000程度)の安物の雨具は、防水はしますが、通気性がゼロに等しく、汗をかくと蒸れてどうしようもなく不快になります。ゴアテックスの雨具(¥10000前後)だと、かなりましにはなります。が、いずれにしても雨の日の走行は心身ともに相当消耗することは確かです。

    • 地図
      昭文社の「ツーリングマップル」がライダーやチャリダーに、一般的に愛読されています。名所や道のポイントなどを細かく解説した優れもので、中規模以上の書店に必ずあります。北海道、東北、中部、関東、中国・四国、九州の6冊構成で、各¥1570です。


    • Tシャツ、下着、タオルを5〜6セットずつ、ズボンは半ズボンが3〜4本、長ズボンが1本、トレーナーや長袖のシャツも1、2着持っていきましょう。靴下は2、3セットあれば十分です。夏ではかえって邪魔に感じます。


    • サンダルと運動靴を1つずつ、状況に応じて使い分けると便利です。

    • その他
      折り畳み傘はあると、歩いて観光するときに雨が降っていた場合に役に立ちます。カメラでその風景を記録するのもよいでしょう。粉末洗剤を袋詰にして持っていけば、コインランドリーでわざわざ洗剤を買わずにすみます。ほかに文庫本やラジオがあると、退屈凌ぎになります。

    • 時計
      意外なほど役に立ちません。これについては第3章で詳しく述べます。

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